人間学の同人誌『Becoming』

生成の人間学の探求 『Becoming』年2回(春/秋)発行 同人代表:作田啓一 制作:BC出版

新刊号

『Becoming』新刊号

第34号(2015.3)

「漱石における夜の思想 夢十夜坑夫を巡って 」作田啓一
自殺願望をもつ主人公の銅山入山から下山までのいきさつが書かれた「坑夫」を、夜の思想の観点から読み通す。死への親近性からくる主人公の放心を背景にして、雲の中を歩くがごとくに描かれた入山場面の景色は、一幅の動く絵画のように幻想的で美しい。(400字×75枚程度)

「征服と殉教 ─ 暗黒事件人質」宇多直久
70年の年月をへだてるバルザックの小説とクローデルの悲劇を対照的に読む試み。貴族階級と第三身分の社会的確執をテーマとする前者と、両階級を自己の内部に抱え込んだ作家の葛藤を作中の2人物に象徴化した後者。(400字×50枚程度)

「閉ざされた扉の陰で」井上眞理子
不作為の行為をも含むファミリー・バイオレンスの定義に始まり、その発生に関する理論(入れ子型エコロジカル理論、作田「ルサンチマン」論の応用)の紹介を経て、事例を示しつつ家族システムを変動するプロセスとして見る視点を提示。(400字×60枚程度)

「リズム論的思考(1)─ 社会学とクラーゲスのリズム論」岡崎宏樹
生命のリズム、社会のリズム、音楽のリズムの関係を追究する理論構築のための試論。リズムの駆動性や創造性をとらえる論理を〈リズム論的思考〉と呼び、その(1)の本論においては、社会学および生命哲学の領域に見受けられる議論を検討している。(400字×70枚程度)